べっらぼーちぇ音楽院

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音楽大学受験のQ&A

こんにちは。音大目指してる高校生です。
質問なんですが、F以上の音になると首や顎が硬くなってしまい、練習のときに力を抜いてやってみるのですが、なかなかうまくいきません。
何か効果のある練習方法はないでしょうか?

ファより上の音が硬くなると言う事は、ファより上の声がどんな状態でも出ると言う事ですね。そうすると多分あなたはテノールでしょうか?
もちろん声ばかりは実際に聞いてみないと分からないのですが、ファがパッサーッジョだと思います。
首や顎が硬くなってしまうのはパッサッージョの声を首や顎で支えてしまっているからでしょう。ベルカントでは腰で支えるのです。
もう一つ考えられるのは、パッサーッジョの声を自分の耳で聞こうとしているため、顎が閉るのです。
正しいベルカントの発声をするとファとファ#は《テノール・ソプラノの場合》少し自分の耳には聞こえにくくなります。(欠伸をすると周囲の音が小さくなるのと同じです。)
逆から言いますと、ファより上の音は顎が閉った状態では出さない事です。
声を出す事を優先するのではなく、まず口の空け方や体の使い方のフォームを正しくして、それを崩すような声を出さない事が先決です。
そうすると自然と首の硬さも取れて自然な声が出てくるようになると思います。
首の硬さを取る方法として声を出している間に一回も止めずに、下から上に首を動かし続けるといいかもしれません。(この方法は私の師匠がベルゴンティから受け継いで、ずいぶんやらされました。)

音大を目指していらっしゃるとの事ですが、
どこの音大を志望しているのか分かりませんが、
合格するためには、それ程高い音が絶対必要な訳ではありません。
多分中音にも何らかの問題があると思われるので、ファまでを
正しいフォームで歌えるようにした方が早道だと思います。
無理に高音をだして変な癖がついていったら、
あとあと大変です。

初めまして。私は今高3なんですが最近になってオペラ歌手になりたいと思ってきました。そのために音大にいかなければならないと思うのですがピアノが少ししか弾けないんです。しかも習っていたのは小学3年生のころ、約3年間だけです。それに発声などやったことさえありません。オペラだってテレビで1回見ただけで本当になりたいかまだわかりません。ただ、私は歌うことが大好きなんです。やっぱり音大に入る人は小さいころからピアノをやってないと無理なんでしょうか?

 

まずピアノやその他の課目については、受ける大学によってレベルが違いますが、そう心配する事はありません。実は私もピアノやソルフェージュは受験前1年しかしていません。もちろん子供の時から習っているに越した事はありませんが、声楽科に関してはなんとか本人の努力で1年間で合格する事も可能です。
オペラ歌手になりたいという目標を持って受験する事は大変素晴らしい事です。しかし、音大を卒業すれば誰でもがオペラ歌手になれる訳ではありません。声の資質と努力が必要です。多くの人がオペラ歌手を目指していますが、とにかく音大で勉強するのが早道ですので、何とか音大に受かるレベルまで、声楽・ピアノ・ソルフェージュ・楽典などを勉強して下さい。
合格してから、大学のオペラの授業などで、色々な技術を学んで目標を達成するよう努力しましょう。オペラは1度やるとその魔力に取り付かれます。自分が何かの役を演じ、歌い、踊り、お客さんに拍手やブラボーを貰ったらもうやめる事が出来なくなります。

なぜ日本の音大・芸大の声楽部門では西洋古典様式、特にベルカント唱法ばかりが良しとされ、例えばポップスや演歌などのいわゆる「フツー」の歌い方は軽視、あるいは全く取り上げられないのでしょうか?僕は音大を受験しようと思っていますが、昔から演歌が好きで、歌を歌う時は、どうしても小節がまわってしまいます。このような歌い方で評価してくれる大学はないのでしょうか?

ポップスや演歌を勉強されたいのでしたら、その専門の学校があります。最近は音楽大学でも授業としてやっている所もあるそうです。しかし芸大・東京音大・桐朋・国立・武蔵野などでは取り上げられていません。声楽と演歌やポップスの一番大きな違いはマイクを使うか使わないかと言う事です。機械を通した声か、生の声を観客に聞かせるかの違いです。演歌やポップスの発声やコブシをまわす歌い方では、マイクなしでは大きなホールで後ろにいる観客まで声を届かすことは出来ないからです。音楽大学は西洋の歌唱法を勉強し、もちろん日本の歌も同じ発声法で歌います。特にベルカント唱法は、身体の力ではなく身体のバランスで最大限の効果を発揮し、1000人もの観客全てに声を聞かせ、オーケストラをも突き破る輝かしい声で歌い続ける事ができます。
要するに分野が違うと言う事です。演歌を西洋の発声法で歌ったら可笑しなものです。逆にオペラを演歌のように歌ったら、まず聞こえませんし、多分最後まで歌う事は喉が疲れて無理でしょう。
日本は可笑しな国で、何でも自分の国の趣味に合わせて変えてしまいます。料理などいい例です。日本で本当のイタリア料理は食べられません。たとえコックがイタリア人だとしても、日本風にアレンジしてしまっています。良いか悪いかは別として、本物がないのです、全てにおいてイミテーションなのです。
これからの若者は、世界を良く見て日本にも本物を創って行ってください。

私は今声楽を習っているのですが、息漏れが直りません。息漏れを直す方法があれば、どうか教えてください。それとなぜかすぐに声が枯れてしまいます。数を重ねていくうちに強くなるのかな?と思っているのですが、どうなのでしょうか?(高校生・女子・16歳)

息が漏れてしまう原因として、まず考えられる事は声帯が良く合わさっていないのかもしれません。それではどうすれば声帯が合わさるか?声帯は弱い筋肉ないので自身では動きません。両脇の筋肉を縦に引っ張る事により、声帯の太さをや長さ変えて高い音や低い音を出します。この筋肉の働きが悪いと声帯を充分に引っ張る事が出来ず、声帯に隙間が出来て息が漏れてしまいます。その状態で声を出し続けると結節ができたり、ひどい時にはポリープになってしまうこともあります。
この声帯を閉めるのは、喉を閉めるのとよくかん違いされている方がたくさんいます。日本では悲しいかな、指導されている方でも多いのです。「声帯を閉める」と書きましたが、正しくは「声帯を伸ばす」です。
この声帯がしっかり伸びているかどうかは実際に声を聞いて、「今のは違う」「今のがそう」と指導者が適確にアドバイスをし、生徒が身体で覚えるしかありません。
もう一つ原因として考えられるのは、息のスピードが速すぎるのかもしれません。声帯は非常にデリケートで急激な息の変化についていけない時があるのです。、声の出だしにお腹を急激に押したりすると、息が1度に大量に声帯へ流れて、声帯が開いてしまいます。ベルカント唱法では横隔膜を徐々に上げていくので、息が漏れて声帯が開いてしまう事はありません。
横隔膜を自分の意志で、コントロールできるようになれば息漏れも解決します。 たぶん今の状態で数をこなしても、良い方向には行かないかもしれません。
正しい方法で回を重ねれば、声帯を引っ張る筋肉が効率よく働き出すのです。
その人が持って生まれた物でどうやって最大限の効果を引き出すか?そのために発声法と言うものがあるのです。ベルカント唱法は喉が強くない人でも、効率良く喉に無理なく、自然に歌を歌える方法です。身体は疲れても喉が疲れて枯れてしまう事はありません。

こんにちは。ご質問です。私は、ソプラノを歌っている高3のものです。練習をしている時、どんな声が、いいのか、悪いのか、区別が、あまりできないのですが、どうしたら、分かるようになりますか?ひたすら、練習ですかね?(高校3年・女子・17歳)

非常に良い質問です。自分で練習している時、今出している声がこれで良いのか、悪いのか分らない。誰でもそう思います。どうしたら分るようになるか?結論から言うと、分るようにはなりません!こう書くと未も蓋も無いように思われますが、自分の声ほど自分自身に分らないものはないからです。
例えば、ビデオなどを撮影した時、自分が話している声を聴くと何だかおかしくありませんか?こんな声のはずないよと思いますよね。でもあの声が、うそ偽りのない本当の自分の声なんです、他人がいつも聞いているあなたの声です。
なぜそんなに声が違うかと言うと、自分が発した声を他の人(観衆)が聴く時は、空気を伝わってその人の耳に伝わります。しかし自分は空気を伝わってでなく、自分の骨を伝わって来る声を聴いているのです。
声楽を勉強する時、1番の落とし穴は、自分で一生懸命、声を発声して練習してしまうことです。発声練習をしている時「良く響いているな~」と思ったら、実はその声は自分自身の身体の中に入っていて、外に出て行ってないのです。聴いている人には自分が思ったほど聞こえていないのです。
「ベルカント唱法」の解説の最後にも書きましたが、パバロッティやフレーニのような一流のプロになっても、自分の声は客観的に分らないので、今でも自分のマエストロのレッスンに通っています。声は正しい指導者の元で、正しく発声する事が大切です。自分で「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤して練習しすぎると、いつの間にか自分よがりのおかしな声になって行ってしまいます。
したがって、自分で勉強できる事は、言葉・音程・リズムなどの譜読みです。声の事は先生のところで習ってください。
余談ですが、大学で生徒達を教えていますと、毎週、一生賢明、真面目に練習してくる学生と、結構チャランポランにやってくる学生を4年間、6年間、またそれ以上の年月を長い目で見ていますと、後者の方が伸びていく比率が大きい気がします。もちろん必ずそうなるとは限りませんが、真面目な子ほど、自分で練習して来てしまった声を修正するのに時間がかかります。あまり自分で声を出してこなかった子はゼロからスタート出来るのです。

日本で将来オペラ歌手として活躍するためには、やはり海外の音大で勉強した方がいいのでしょうか?日本と海外では声楽の教育方法が異なると聞きました。また外国発音はどうやって習得できるのでしょうか?(高校生・女子・18歳)

もちろん、これからの若い人達はどんどん外国へ行って勉強する事は絶対必要です。
イタリアオペラやドイツオペラを歌うのに、まずその国や人々の生活習慣などを知らない事には演ずる事が出来ません。悲しい事に日本という国は、世界から見てかなり特殊な国なのです。日本に生まれ日本で生活してると感じませんが、
一歩海外へでて、自分達の考え方や生活習慣などを見ますと、おかしなことがたくさんあります。
それでヨーロッパ人の役をやるのですから、日本風の変なものになってしまいます。
さらに声楽においては、日本人にはかなりのハンディーがあります。毎日、日本語を話し、日本の柔らかい食べ物を食べてるのですから、声はペチャンコで、顎は硬くなり、おまけに無表情で顔の筋肉は退化して行くばかりで、声に必要な2大要素の「深さ」と「響」がほとんどの日本人には、最初からないわけです。
ただし、この「ないない尽くし」で外国に留学をすると外国の先生は、なぜこの子は声楽をやるんだろうと、疑問を抱くかもしれません。だから留学の時期を良く考えなくてはいけません。個人差はありますが、日本の大学を卒業してからでも決して遅くはありません。
教育方法の違いは、外国では声楽を学ぶのに一人の先生ではなく、発声の先生・スコアリーディングの先生・音楽全体を見てくれる指揮者の先生、などそれぞれの専門の立場からレッスンを行います。最近は日本でもそのようなシステムを、取り入れている大学もあります。東京音楽大学の声演コースなどが良い例です。
外国語の発音は、もちろん語学センスが大きな要因になりますが、日本語の「ア・エ・イ・オ・ウ」とは発する場所が違うのです。これは発声と関連してますので、正しい方法で適切な指導者のもとで勉強して下さい。

社会人(24歳)ですが、今から音大声楽科受験を考えております。
ピアノは自信がありますが、もし仮に今から音大に入れたとしても、オペラ歌手を目指すには、時期が遅いでしょうか?(会社員・24歳)

オペラ歌手になるのに年齢制限や、音大を絶対卒業していなければいけないという条件は、なにもありません。
もちろん音大へ行くのが近道ですから、皆さんそこを目指すのですが。
私の東京音大にも池田理代子さんの例があるように、遅すぎるという事はありません。
彼女は入学した時、もう40を超えていましたが、卒業した今、りっぱにオペラ歌手として活躍されています。24歳なら、まだ充分間に合います。
ただ、音楽関係の大学に進学する為には実技と音楽理論の受験が必要です。実技はピアノと声楽とソルフェージュです。そして音大に関しては、どこに入れるか?自分の実力はどの程度か?まず、これを見極める事です。
各大学の特色はそれぞれありますが、それ程違うわけではありません。
声楽は特に、どこの大学が良いと言うより、どんな先生に習いたいか?これが大事な事です。
それにプラス、その先生のいる大学のカリキュラムなどが、どうなっているのか?
この二つでどこにしようか決めるのが普通です。
音楽の世界は一般社会と違って、どこの大学を卒業してるかは問題ではないのです。本人の実力がすべてですから。
要するに、あなたの声の実力で、受けられる一番難易度の高い音大に、合格するのが理想だと思います。同じレベルの学生達が集まって、4年間競い合うわけですから。
今のあなたの実力がどの程度か、これから努力すればどの程度まで伸びそうか、声楽の先生に声を聴いて判断してもらってください。

私は今受験のために、前からついている先生の他にもう一人志望している大学の先生についています。二人ともとても尊敬してるのですが、二人とも言うことが全く違うので、どうしていいのかわかりません。前者は、下につなげろ、後者は、下におろすな、という感じです・・・。もうすぐ受験だというのに歌い方が全然定まりません。どうするべきでしょうか?

声に関して反対の事や違う事を言われると、やはり混乱しますね。
もちろん二人の先生は、最終的にあなたの声が良くなるように望んでいるのだと思います。「下につなげろ」「下に下ろすな」これはまったく逆の事のようですが、実は両方必要なのです。
ただこれはかなり出来上がった状態の事なので、今のあなたにはまず何が必要かを、見極める事が大事です。
声楽はいっぺんに必要な事をやると訳が分らなくなり、良い方向には行かなくなります。目先の一回一回のレッスンの出来不出来で判断していくと、誤った道に進んでしまいます。長い先の将来を見て、少しずつ段階的に進めて行かなくてはなりません。しかし、自分では自分の声を判断する事は出来ませんので、今のあなたの状態には何が一番必要か?本当に声の事を分った先生に聞いてもらうしかありません。

音大を目指して勉強中のソプラノです。今はソプラノの先生についているのですが、目指す大学の、あるバリトンの先生につきたいと思っています。ソプラノが男の先生につくと発声が違ってきて、高音が出なくなったりして良くないと聞いたのですが、やはり女性は女性の先生についた方がいいのでしょうか?(高校生・女子・17歳)

まず結論から言うとNOです。女性と男性では発声法が違うと考えている人が多いんですが、声を出すメカニズムは同じです。身体の使い方や声を響かす場所などは全く一緒です。特にベルカント唱法では男性も地声で歌うわけではありませんので、男性が女性を教えられないという事はありません。
往年の名歌手「チェーザレ・シエピ」はバス歌手ですが、『発声の神様』と言われるほど、ベルカント唱法の最高峰の歌手です。その当時、全ての歌手の憧れの的で、ソプラノやテノールも彼に発声を習いたがったと言われています。
このようにソプラノはソプラノ、バリトンはバリトンにという考えではなく、その先生個人の問題であると思います。ついてみたいと思うのでしたら、男性であれ女性であれ、迷うことなく教えてもらえばいいと思います。

初めまして。音大を目指して勉強中の高校3年生です。以前ボイストレーニングの最中に先生に「その声はアクートに入っている」と言われたのですが、どういう事なのでしょうか?(高校生・男子・18歳)

「アクート」の意味は直訳すると、「鋭い」という意味になります。声楽の時に使う意味は、「パッサッジョの上の音」という事です。簡単に言うと、「声を乗り越えるところから上の高い音」と言う事です。ベルカント唱法では、この「パッサッジョ・アクート」が確立する事が重要で、これが出来てやっと一人前と見なされます。
残念ながらあなたの先生は、本当のアクートの意味を知らずに使ったのだと思います。多分、その音は喉が閉りすぎてるよ、と言いたかったのではないでしょうか?
「パッサッジョ・アクート」については「ベルカント唱法」のページを参照して下さい。

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